2026.06.15
#08 イームズの光をまとう曲線と空間
光と影のリズム。 では
図面には描けない北欧に学ぶ “光の余白” を
シオンケンチク的アングルでまとめています

― 結局のところ
すべては繋がっている ―
イームズは建築や家具そして光を
ひとつの美しい体験として結びつけています
イームズの代名詞にもなっているFRPは
ガラス繊維を混ぜ込んだ強化プラスチックで
現在では車のバンパーや住宅の一部
船など様々なものに利用されています
イームズはそれまでに培ってきた
成型合板の技術を用いて
一体成型の椅子の製作を目指し
1940年半ばから後半にかけて
新しい素材としてFRPを取り入れます

自邸である「イームズハウス」に代表される
ミッドセンチュリーモダンと呼ばれる建築は
鉄骨とガラスで構成された直線的な空間です
イームズはその空間に
巨大なガラス窓から自然光を取り入れ
成型合板やプラスチックの
柔らかなフォルムに光を当てることで
有機的で滑らかなグラデーションの陰影が
生み出されるように計算しています
イームズにとって家具とは
空間に圧迫感を与えず建築という器を満たし
さらには空間を完成させるために
不可欠なものだったと考えられています
直線的な空間のなかで
自由な空気の流れを感じさせる椅子と
計算された「光をまとう曲線」が
互いに引き立て合い
光の移ろいとともに表情を変えていきます

少し触れましたが
イームズは特定の企業やブランド名ではなく
夫チャールズと妻レイの夫妻で活動している
デザインチームで
二人は公私をともにするパートナーでした
二人が設計した自邸「イームズハウス」は
建築の傑作と言われていますが
その空間には二人で世界中を旅して集めた
民芸品やおもちゃなどが並べられていて
中身はおもちゃ箱みたいなんだそうです
深い絆とチャーミングな人柄が溢れる
二人のエピソードはたくさんあって
軌跡を追ったドキュメンタリー映画も
製作されているんです

ネタバレになってしまうのですが
二人の絆を語る少し切ないエピソードとして
二人がこの世を去った日が
同じ8月21日だったという事実もあります
「すべては繋がっている」という
言葉にように最期のときまで
二人の人生が繋がっていたんだなと
感じるエピソードで
今回は締めくくらせていただきます
次回の光と影のリズム。#09 では
ウェグナーとイームズ の
異なるアプローチでありながらも共通する
「機能的美」について
触れてみたいと思います




























