2026.06.22
#09 ウェグナーとイームズが魅せる機能美
光と影のリズム。 では
図面には描けない北欧に学ぶ “光の余白” を
シオンケンチク的アングルでまとめています

― 異なる方向から
同じ問いに向き合い生まれたもの ―

ウェグナーのデザイン哲学は
自然素材に対する敬意と
職人の技術が根幹にあります
北欧の職人文化を背景に
「木」という素材の本質を追求し
温もりのある手仕事と
人間工学的な曲線を融合させました
イームズ夫妻は
「デザイナーは良いホストであるべきだ」
という理念に基づき活動しています
成型合板やプラスチックなどの新素材と
工業技術を駆使した大量生産により
快適な「もてなし」のカタチを
切り拓きました

ウェグナーは
伝統の継承と素材の扱いを通じて
より人に寄り添うカタチを
イームズ夫妻は
技術革新と社会性をもって
これからの未来を創造するカタチを
それぞれの信念をもって
妥協することなく取り組んでいます

1940年代後半になると
ウェグナーは
イームズの成型合板技術に
刺激を受けて
合板の研究を始めます
1948年には
4本脚の初期モデルのシェルチェア
「FH1936」を発表しました
1963年に発表したシェルチェアは
イームズ夫妻の合板家具に対する
「北欧的な解答」とも言われていて
3本脚の「微笑む椅子」とも呼ばれる
ウェグナーの代表作「CH07」として
広く知られています

発表当時は前衛的なデザインから
業界で大きな注目を集めたものの
この独創的なデザインは
一般には受け入れられなかったそうです
工業的な素材を採用しながらも
手仕事と有機的な感性で仕上げた椅子は
1998年に復刻すると
優れた使用感や美しいフォルムと
安定性のあるユニークなデザインが
すぐに大きな反響を呼びます
一枚の合板から
一体に成形された2本の前脚や
別々に製作される1本の後脚は
自然素材と機能性を大切にした
ウェグナーの考えを体現したと
言われています
今では
シンプルで温かみのある
北欧デザインの理念をカタチにした傑作
とも称され
未来へ受け継がれていくべき椅子と
言われているそうです

ウェグナーとイームズは
直接的な共同作業は行っていませんが
国境を越えて互いの才能を尊敬し
共鳴し合う関係性が伝わるエピソードが
いくつも残されています
クラフトとテクノロジーという
対照的なアプローチでありながら
その異なるアプローチから
生み出された作品は名作となり
それぞれの機能美が
時代を超えて愛され続けています




























